キリンジの楽曲はビートと相性が良いようで、オリジナルを凌ぐほどの出来のリミックス曲が目白押しのアルバム。
メロディの良さ、内包された切なさをそのままに、イカしたビートが、部屋の中を、そして車内を満たしてくれると思います。
中でも出色は、「The Transformer-Remix Works by Yukihiro Fukutomi-」にも収録されていた、1曲目「双子座グラフィティ(Yukihiro Fukutomi Remix)」。オリジナルでは控えめだったビートが思い切り強調され、かといって繊細なヴォーカルを妨げることなく、ソウルフルな楽曲に仕上げられています。
そして、3曲目「サイレンの歌(Sugiurumn Remix)」は、しんみりしたバラードを、思わず身体が動き出すようなディスコチューンに昇華させており見事。
また、6曲目「グッディ・グッバイ(FPM MIX FOR NIGHTFLY)」は、逆に優しさが強調されたリミックスで好感を抱きました。
全10曲、約63分。
8曲がリミックスで、スキャットのみで歌われる9曲目「彷徨ジャンクション(KFM Version)」が新曲という構成。
そして、クレジットされていませんが、10曲目が隠しトラックで、堀込兄弟の気ままなおしゃべりを「リミックス」した2分半ほどの作品が収録されています。
キリンジの新しい魅力が発見できる優れたリミックス集だと感じました。